
スイスのチューリッヒ近郊のディエティコン(Dietikon)という街に
「ブルーノ・ウェーバー彫刻公園」なる多数の異形の彫刻や建造物がひしめく
幻想美術愛好家にとっては夢のような一大レジャーパークがあります。
本書はその彫刻公園内の数々の異形造形物や装飾などを写真に収めた作品集です。
巻頭にはウェーバー氏の若い頃のセルフポートレート油彩画や、
建造物や彫刻のためのドローイングなども収められています。

これは公園の縮尺模型のようです。実際のものとは若干形が違います。
筆者は昨年(2008年)のメーデーにここを訪れました。
それら巨大彫刻群の造形の魅力をその大きさとともに体感出来た興奮は
今でも思い返す事が出来ます。
ウィーン幻想派絵画のような、この世のものとは思えない造形物に埋め尽くされた
世界が現実に広がり、その中に身を置くという気分はとても奇妙なものでした。

写真だけではその圧倒されるような大きさや実在感を
同じように体感することは出来ませんが、
実際にこんな場所が存在するということの驚きと
それぞれの造形の面白さは十分伝わって来ます。

西洋的なものと東洋的なものが混じったようなこれらの造形は
奇妙な妖しさと不思議なユーモアを同時に感じさせ
無数の苔むした地蔵のような顔をもった椅子たちが並んでいる光景は
日本の神社仏閣、あるいは天空の城ラピュタの見捨てられた古代人の街のような
どことなく郷愁を誘うような居心地の良さを感じました。


東洋的な面持ちをした彫刻たち
実際に訪れても入る事の出来ない建物の内部の素晴らしい装飾なども
観る事が出来るのが写真集ならではの良さだと思います。
チューリッヒからのアクセスは旅なれた人なら恐らく簡単なので
機会があれば実際に訪れてみてはどうでしょうか?
一般解放されている日が限られている
(基本的に4~10月の毎週土曜と毎月第一日曜のみ)ので
事前に調べて行くことをおすすめしますが。
本書籍はフランスのamazonで入手可能です。
ちなみに筆者が持っているのは公園内の売店で購入したサイン本です(自慢)。
※上の画像は実際に書籍に収録されている内容とは若干違います。ご了承ください。

チェコ出身NY在住の絵本作家ピーター・シス(ペトル・シース)が
幼い娘にに宛てて自身の子供時代を過ごしたプラハの街の記憶を
細密なペン画によって幻想的に描きだした絵本です。

プラハの街に迷い込んだ主人公は少年のころ飼っていた黒猫に導かれて
三つの鍵を手に入れるために幻想の街を彷徨います。
街並みを俯瞰した絵が猫の顔に見えるようなだまし絵的な仕掛けが随所に見られ
野菜や本などを人の顔に見立てた絵画で有名な
シュルレアリスムにも影響を与えたと言われるチェコの宮廷画家
アルチンボルドの絵画を模した人物(?)が登場したりもします。

物語の中にさらにチェコに伝わる三つの伝説が挿入されていて、
それらにも複数の小窓に緻密に描かれた挿絵が添えられているなど、
非常に密度の濃い読み応えのある内容になっています。

一般的な絵本のフォーマットに比べると大判でページ数も多く、
内容もどちらかと言うと子供よりも大人のほうが楽しめるのではないでしょうか。
幻想小説を読むような感覚で大人も楽しめる絵本です。

スロヴァキアの巨匠、アルビン・ブルノフスキの1995年開催された展覧会図録です。
人間業とは思えないような緻密な銅版画作品を中心に
クラクラするような幻想的なイメージが描かれています。

彼の初期の作品からスタイルが確立していく変遷も伺う事ができます。
その病的なまでの緻密な描き込みは一貫しているようです。
目を凝らすたびに新たなイメージを発見できるような、
画面内の膨大なイメージの奔流を心ゆくまで味わい尽くせる作品集です。

こちらの美術館の通販の頁から注文することが出来ます。

日本が誇る奇才デザイナーにして画家でもある横尾忠則氏自選のポスター集です。


60年代アングラ演劇から現代の商業広告まで時代と幅広いジャンルを横断しながら、
極彩色サイケな色使いと毒気が散りばめられたイメージの奔流に貫かれた作品群は
時代や国境を超えて視覚な刺戟を与え続けています。


しかし残念ながら、この本は絶版になってしまったようです…。
マメに古書店をチェックすれば手に入るかも知れません。










